2010年10月21日木曜日

秘密 TOP SECRET 作:清水玲子


秘密つながりということで、清水玲子さんの『秘密 TOP SECRET』のご紹介です。

現在メロディ(よしながふみさんの大奥とか掲載してる)という雑誌で連載中の近未来サスペンス物ということになるのでしょうか。

簡単に内容を説明すると、人間の目で見た情報(データ)が脳に蓄積されます。
近未来には、その脳のデータを脳スキャンMRIといかいう装置を使って、実際に映像で見ることができるようになり…それを警察の捜査に使うようになるんですね。

特に、犯人の特定が難しい猟奇的な事件において、被害者の脳が正常な場合、脳のデータを読み取ることで、犯人の手掛かりを得ることが出来る。

それとは別で、異常犯罪(大量殺人)を行った犯人の脳を見ることで、事件の概要(被害状況)を犯人の死後においても閲覧できるようになる。

状況においては、死んでさえいれば…どんな脳でも事件に関係していると思われる脳のイメージは抜粋できる

という基本設定の下、その装置を使って、警察の特殊部隊が次々と異常犯罪を解決する一方、異常犯罪者の見た映像を見ることで、捜査する側の自己の崩壊。犯罪者とのリンク。精神崩壊などなど…清水玲子さんの綺麗な描線で描かれる本格サスペンスです。 説明長いか!

かなり練られたストーリーです。基本単行本1冊で1エピソードくらいなので、読みやすいですね。エグイ話が多いんですけど、話がそこまで長くないので…読みやすいです。

簡単な突っ込みははねかえされますよ。。

例えば、犯罪を行う場合、自分が犯人であるとばれないように、脳をつぶしてしまえばいいじゃないか!と思うんですけど、脳スキャナーを用いるのは猟奇殺人の場合となっているため、事件によっては、脳の記憶自体が犯人のメッセージの場合があるし。死んでしまった犯罪者の脳を見るという設定が多いことなどもあり矛盾点が見つけにくい構造になってます…

一つ気になるのは、携帯が思いっきり現代と変化ないことなんですけど…その辺はよしとしましょう。

海外ドラマのフリンジとかで似たような設定あったと思うんですけど…多分秘密の方が先じゃないかな?その辺不確かです。

脳の映像を見れるという点で、この漫画を見てて面白いなーと思ったのは、

・人によって、人物のとらえ方が違うということ。目で見た情報を脳で変換しているため、写真などでみる映像とは異なっている。

・夢も映像化されていて見ることが出来る。

・死の直前、ドーパミンが大量に分泌されるため、死の直前の映像は現実と仮想映像がまざっている。

等々…こってるんです。

勿論、人の脳を覗くという行為についての倫理観や、霊魂などのオカルティックな現象などなど脳科学で現在語られていることなども含めて…濃い内容で読んでて疲れますが面白さ間違いなしです。どうぞよろしく。

補足ですが、最初に読んだのはミルキーウェイです。どんどん面白くなりますねー清水さん。


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