2010年10月21日木曜日

アリスにお願い 著:岩舘真理子

秘密つながりということで、岩舘真理子さんの『アリスにお願い』を紹介します。

秘密つながりで小一時間ほど悩みましたが、秘密というモチーフを基に、本作「アリスにお願い」以上にしっかり描かれている作品は思いつきませんでした。他にあったら教えてください。

作者の岩舘真理子さんは、雑誌マーガレットで人気のあった漫画家さんで、素敵な短編が数多くあります。読み味は軽快にも関わらず、繊細かつ情感豊かな作風で個人的に好きな作家さんなんですけど、このアリスにお願いは珍しくシリアスなサスペンス作品となっています。

内容は(引用してます)

それは、5年前の事件。川べりの小屋の中で遊んでいた江利子は、土砂崩れで死んだ。扉にカギをかけられて。秘密を握るのは、両親を事故で亡くした美奈子? 女王様的存在のアリス?それとも…

秘密・ひみつ。

子供の頃遊んでいたひみつの小屋。
事件の真相は…?

美奈子の秘密?
アリスの秘密?

あまり言うと面白くなくなってしまうので言いません。
150ページほどの中編作品なので、是非読んでください。
繊細な少女たちの秘密に触れられます。傑作です。

少女漫画と言えばモノローグですけど、岩舘さんのモノローグは素晴らしいです。
天下一品モノローグです。

文庫版とワイド版があるんですけど、値段がかわらないのでワイド版がおすすめです。
吉本バナナさんとの対談とかのってます。文庫版はしらないです。中古屋でもよく見かけます。

岩舘さんの作品とか色々な人に読んでもらいたいですね。そのうち漫画読書会でもピックアップしたいなと思ってます。少女漫画の文法で描かれてますが、男子も読みやすいと思います。



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